モンクレールのダウンはこんなにすごい

モンクレールのダウンジャケットに使用されているダウンは最高品質のダウンが使われています。ここではモンクレールで使われているダウンがどれだけ優れているかを紹介します。

ダウンとはいったい何か

そもそもダウンとは

そもそもダウンとは

ダウンとは水鳥の胸のあたりから採取される軸をもたない綿毛のことを指します。陸鳥は胸の毛が少なく、羽が大きいためダウンジャケットなどの衣料には向いておらず、水鳥が用いられています。

水鳥の羽毛ならどのような水鳥でもいいというわけでなく、ダウンジャケットに用いられるのは主にグース(ガチョウ)とダック(アヒル)の2種の水鳥の羽毛となります。

ダウンは空気の層を多く含むことで保温性に優れるため暖かい

水鳥は陸上にいることよりも空を飛んでいるか、水面で浮かんでいることがほとんど。そのため、水鳥の羽毛は水面に浮かぶように浮力があることが必要です。また、寒い地域でも活動ができる必要があります。

そのため、水鳥の羽毛は水に浮かび体温が保たれるよう、撥水性が高く空気を含みやすい性質をもっています。ダウンジャケットが保温や蓄熱性に優れているのは、ダウンが自分の体温で温められた空気を含むことで身体を温め続けてくれるからなのです。

もう一つ、水鳥の羽毛は非常に軽く、それで作られているダウンジャケットも非常に軽くできています。冬は寒さのあまり厚着をしがちで衣服の重さが気になる季節ですが、ダウンジャケットは軽く、快適に冬を過ごせます

ダウンジャケットの中にはダウン(綿毛)とフェザー(羽根)が入っている

羽毛の種類はダウンとフェザーに分けられる

羽毛の種類はダウンとフェザーに分けられる

先ほどダウンは「水鳥の胸毛」と説明しましたが、水鳥からは他にも羽の毛であるフェザーも採取できます。

ダウンは胸の辺りからの綿毛で、先端には小羽枝と呼ばれる小さな枝毛があり、この部分があるため空気の層をより多く含むことができます。ダウンジャケットの中に詰め込まれているもののほとんどがこの「ダウン」です。

フェザーは軸のある背中部分の羽根です。空気の層を含む力はダウンに比べて低いため、保温性は劣ります。

では、モンクレールなどのプレミアムダウンは保温性の劣るフェザーを使わず、ダウンしか使っていないかというとそうではなく、ほぼすべてのダウンジャケットにフェザーは使われています。というのも、フェザーはダウンジャケットには絶対に必要なものなのです

ダウンにフェザーを混合しているのは復元力を高めるため

ダウンにフェザーを混合しているのはロフトの復元力を高めるため

ダウンがなぜ暖かいかといいますと、ダウンが空気の層を作っていて、保温効果を発揮するためです。しかしながら、そのダウンもつぶれた状態だと空気の層を作りづらく、羽毛がつぶれた状態から元の大きさに戻る力が必要です

そこで活きてくるのはフェザーで、羽毛を元の大きさに回復させる強い力を持っています。そのため、ダウンには軸のあるフェザーが混合されているのです。

フェザーの混合率が低いほど品質が良い

フェザーの混合率が低いほど品質が良い

原料の段階でダウンとフェザーはすでに混ざっていますので、混合率を仕分けするために風の力を利用して仕分けされ、ブランドが決めた混合割合に調整されます。

風の力を利用して仕分けされますので、品質の良いダウンは空気を多く含み風に乗って遠くまで運ばれます。同様に、品質の良いダウンはフェザーの混合率も低くなり、たとえばタグにダウン93%、フェザー7%と表記されているものは非常に品質が高いといわれています

ダウンジャケットに使用するのであれば、ダウン93%では元の形に戻る力を確保するのにはフェザーが少々不足しています。フェザーの混合率は90-10%、80-20%....などとありますが、ダウンジャケットに最適な混合率はダウン90%とフェザー10%の混合率が最適だとされています

ちなみにダウンとフェザーの完全な分離は不可能で、ダウン100%表記は不可能だと言われています。同様に、羽毛の検査機関においてもダウンの混合率測定の前後5%は許容範囲とするところが多く、ダウン100%という表記はその許容範囲をもって示しており、厳密に測定できるものではありません。

どんなダウンが良いのか

グースダウンとダックダウンはどちらがいいのか

グースダウンとダックダウンはどちらがいいのか

一般的にはダックダウンのほうが質が低いといわれていますが、そうではありません。ダックダウンであっても質の高いものも存在します

ダックダウンが品質が低いわけでなく、ダックダウンのほうがグースダウンにと比較すると価格が安いというだけです。ダックダウンが安いのは昔から食肉として飼育されており、飼育コストが低いためです。

もう一つダックダウンの品質が落ちるといわれている要因としては臭いです。ダックは雑食性だから臭いという意見もありますが、そうでもありません。

品質の高い洗浄と精製を経たダックダウンは臭いがなく、臭いでダックダウンとグースダウンを判別しようとしてもほとんど不可能です

重要なのは、ダウンの洗浄・精製の質

ダウンの品質は洗浄と精製工程が全てです。いくら原料の羽毛がよくても洗浄・精製の技術が低いと空気を含む性能というダウンの持ち味は大きく損なわれます

モンクレールに代表されるプレミアムダウンジャケットブランドは、ダウンの素材にも最高品質のものを使用するようこだわっていると同様に、この洗浄と精製にも非常に力を入れています。

ダックダウンとグースダウンの違い

モンクレールがグースダウンを使用しているのには理由があります。ダックダウンとグースダウンの違いは二つあり、一つはフィルパワーの違い。フィルパワーとは、ダウンの空気包含力のことで、この値が高ければ高いほど保温性に優れています。そのため、フィルパワーが高いダウンは普通のダウンに比べて暖かかかったり、少量のダウンでも十分な防寒性を誇ることができます

フィルパワーの限界値はダックダウンは760フィルパワーまでが限界です。一方でグースダウンは800フィルパワー以上の高い値を出すことが可能なため保温性が高く、絶対的な暖かさや防寒性を確保しながらもすっきりとしたスタイルを求めるのであればダースダウンを使っているダウンジャケットを選ぶことになります

もう一つの違いはコシの強さ。こちらはダックダウンのほうが優位とされています。ダックダウンのほうがコシが強く結露に強いという特徴もありますので、極寒の地で冒険するための長期間使用するダウンジャケットやシュラフなどのアウトドア用品に向いています。

このように、ダックダウンとグースダウンには違いがあり、ダウンジャケットを使用する場面によってどちらが適切かどうか判断するといいでしょう。

ブランドダウンはヨーロッパに集中している

ブランドダウンはヨーロッパに集中している

ダウンにも様々な種類がありますが、大まかには国別で分けられています。品質的には欧州産のグースダウンが全体的に高品質で、その中でも寒暖差の激しい亜寒帯であるハンガリー、ポーランド、フランスのグースダウンがプレミアムダウンとして高級ブランドのダウンジャケットに使用されています。

国によってホワイトグースとシルバーグースを育てていますが、品質面ではホワイトグースとシルバーグースの差はほとんどないと言われており、いずれも良質で大きなダウンボールが採取されています

中でもそれらの国で採取できる高品質なダウンは、大きく成長した親鳥から手で一つ一つ採取された800、900フィルパワーのダウン。このダウンは非常に品質が高く、最高級ダウンと呼ぶのにふさわしい品質です。

ちなみに、ダックダウンのほとんどが中国産で、育成のしやすさや食用としての転用用途もあり、グースダウンに比べて安価に手に入ります。そのため、安価なダウンにはダックダウンが使われていることが多いです。もちろん、高価なダックダウンもあり、それらはアイスランドで採取されますが、このダックは保護鳥に認定されているため、採取できる量が限られ、非常に高価です。

フランス フランスはフォアグラ用グースの羽毛を使ったダウンの生産地として知られており、これらのダウンは普通のダウンです。しかしながら、最高級の評価が与えられたグレーグースも別に存在しており、ペリゴール地方などで育てられているグースはフォアグラ用であっても自然の中で健康的に育てられた種であり、高級ダウンとして認められています。
ポーランド ポーランドは寒暖の差が激しい大陸性気候の国。この国のダウンは、ホワイトグースが有名で、広大な農場で健康的に育てられています。採取されるダウンボールは普通のものと比べて大きく、中でもピュアホワイ卜と呼ばれる白いダウンは高い清潔感があるため、ダウンジャケットのみならず最高級の羽毛布団などにも使われています。
ハンガリー ハンガリーはシルバーグース、ホワイトグース両方を生産していることで有名です。多くのハンガリーダウンはマザーグースから手で一つ一つ採取されたものが中心。ハンガリーのダウンで忘れてはいけないのが「ラダニーダウン」。このダウンはラダニー地方のみでとれるホワイトマザーグースダウンで、最高品質として知られています。
アイスランド等 ダックダウンで有名なのがアイスランドなどで取れるダウン。この種のダウンはダックダウンながらも極めて軽く保温性に優れています。というのも、このダックは北極圏に近いアイスランドなどの極寒地帯に生息する野生のアヒルなので、極寒の地でも生存できるよう進化しているためです。このダウンは非常に希少性が高く、その理由は保護鳥に認定されているためです。そのためダウンの採取には巣に残った羽毛を集めるという方法が採用されています。

高いダウンと安いダウンの違い

使用しているダウンで価格の差が出る

ダウンの価格を決めるのは使用しているダウンです。大雑把に言うとダックダウンは安く、グースダウンは高価です。さらにグースダウンの中でもプレミアムダウンはさらに高価です

もう一つはフェザーの混合率。フェザーの混合率が高ければ安く、混合率が低くなればなるほど高価になります

安いダウンは品質が低いものも

安いダウンの中にはダウンの洗浄や精製をおろそかにしているものが多く、例えば埃や塵などの不純物をしっかりと取り除いていない不衛生なダウンも存在します。他にも、安価なダウンは殺菌が徹底されていなかったり、その結果変な臭いがしたりもします。ダウン以外でも、ダウンパックの品質が低いためにフェザーが表生地を頻繁に突き抜けてくる場合もあります。

モンクレールのダウンはこんなにすごい

品質の証、キャトルフロコン

キャトルフロコン

モンクレールのダウンは、大きなダウンボールが特徴であるホワイトグースの産毛だけで作られています。

使用しているダウンは最高品質のブランドダウンであり、仏企画協会が最高品質ダウンであることを認めるキャトルフロコン(4Flocons)マークを取得しています

全てのモンクレールダウンジャケットには、このキャトルフロコンが品質の証として表記されているとともに、重さも的確に決められており、モンクレール職人の長年のモノ作りの経験で、ダウンジャケットの各部位には最適な重さが1gごとに決められています。

キャトルフロコンに認定されるには

キャトルフロコン認定をもらうには、フィルパワーや断熱力が、もっとも強いニューダウン(収穫したばかりの真新しいもの)であることが必要です。

このニューダウンは1羽からたった30gしか採取できない非常に希少なもので、キャトルフロコンしか使用しないモンクレールのダウンは限られた数しか生産できない貴重なものです。そのため、品切れが多いのです。

高品質のダウンを使用しているのでモンクレールのダウンジャケットは保温性が高い

キャトルフロコンのダウンを使用すれば一定の体積あたりの密度が高いため、保温力に優れ、非常に軽いダウンジャケットが作れます。そこまで質の高くない古いダウンの混ざった3Flocons以下のダウンとは暖かさが断然違います。

保温性が高いため、真冬でもインナーは薄手のロングTシャツでも可能なほど。モコモコした着膨れ感はなく、スマートなラインが作るシルエットはカジュアルでもフォーマルでも洒落たスタイルに仕上がります

ボタン

これに加え、ボタンをサテン仕上げの高級なものに換装したり、より上質なジップを採用したりと、細部のクオリティも高く保たれているのも人気が出ている一つの理由とも言えます。

まとめ

このように、モンクレールのダウンジャケットに用いているダウンは非常に高品質で高級なものなのです。モデルによっては、100万円を超えるものもあり、モンクレールは高級ブランドの一員とも言えるのです。

モンクレール ダウンコートムーレー